「旅行や出張で中国に滞在している」
そのときに困るのが、日本でお馴染みのアプリやWebサイトが使えないことです。
Google、Yahoo、LINE、Facebook、YouTubeなど、毎日のように利用するサービスも使えなくなっています。
そんなときに活躍するのが、世界シェアNo.1のVPNサービス「NordVPN」です。
しかし、実際に中国でNordVPNを試したところつながらないといったケースがあります。
この記事では、NordVPNが中国でつながらないときの設定について解説していきます。
目次
NordVPNが中国でつながらないときの設定
NordVPNが中国でつながらないときは、難読化サーバーを活用してみましょう。
難読化サーバーとは、国やISPなどにVPNの利用を隠して、VPN接続できる機能となります。
設定方法は、次のとおりです。
特殊サーバーを開く
スマートフォンでNordVPNアプリを起動してから「特殊サーバー」をタップします。

難読化サーバーに接続する
特殊サーバー一覧が表示されるので「Obfuscated Servers」をタップすれば、難読化サーバーでVPN接続されます。

難読化サーバーでも繋がらない原因
残念ながらNordVPNの難読化サーバーを用いても中国でつながらないケースがあります。
これは、中国政府によるインターネット規制強化が影響しており、NordVPN公式サイトでも案内されています。
注意:残念ながら、最近、手動接続とアプリケーションのためのサーバー構成がブロックされたため、現在、中国の地域で接続に関するいくつかの問題が発生しています。当社の開発者はこの問題を認識しており、できるだけ早く修正するよう取り組んでいます。ご不便をおかけして申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。
出典:NordVPN「インターネットの利用が制限されている国からの接続」
また、ネット上の口コミ・評判でもNordVPNで中国がつながらないという報告があります。
Nord VPNって中国で使えるようにならないんかなぁ
— トンちゃん(17) (@10ntyan) December 13, 2023
会社用のNASに中国から接続できなくなっちゃってめちゃくちゃ困ってる

中国のインターネット規制強化により、さまざまなVPNサービスが利用できなくなっています。
もちろん、NordVPNも改善に向けて動いていますが、イタチごっこの状態です。
タイミングによっては、中国でNordVPNが使えることもあるので、30日間の返金保証を利用して一度試してみましょう。
中国におけるインターネット規制の理由や仕組みについて
冒頭でも解説したとおり、中国ではインターネット規制強化により多くのアプリ・Webサイトにアクセスできません。
次は、中国で利用できないアプリやWebサイトの一例です。
検索エンジン | Google、Yahoo、Bing |
SNS | Twitter(X)、YouTube、Instagram、Facebook、TikTok |
メッセージアプリ | LINE、Messenger、Slack、Skype、カカオトーク |
動画配信 | Netflix、U-NEXT、Amazonプライム・ビデオ、DAZN、ディズニープラス、Hulu、AbemaTV、Tver、YouTube、ニコニコ動画 |
ブログ | はてなブログ、Abemaブログ、Livedoorブログ、FC2ブログ、note |
その他 | Googleマップ、Google翻訳、Gmail、Outlook、Yahoo!知恵袋、 |
理由
中国がインターネットを規制する大きな理由は、一党独裁体制を堅持するためとされています。
具体的には、中国共産党に不都合な情報がネット上で拡散され、世論の動きにより国家の分裂および転覆を防ぐためです。
そのために中国政府は、2017年にネットワーク安全法を施行しています。
そこには、いかなる個人および組織もインターネット上で国家政権の転覆および社会主義制度の転覆を煽動してはならないと明記されています。
いかなる個人及び組織も、ネットワークを使用するにあたり、憲法・法律を遵守し、公の秩序を遵守し、社会道徳を尊重しなければならず、ネットワークの安全を脅かしてはならず、ネットワークを利用して国の安全、栄誉、利益を脅かし、国家政権の転覆及び社会主義制度の転覆を煽動し、国の分裂及び国家統一を破壊することを煽動し、テロリズム及び過激主義を宣揚し、民族に対する憎悪や差別を宣揚し、暴力及びわいせつな情報を流布し、虚偽情報を捏造、散布して経済の秩序及び社会秩序を撹乱し、他人の名誉、プライバシー、知的財産権その他の適法な権益を侵害する等の活動に従事してはならない。
出典:ネットワーク安全法 第12条

その他、アメリカのビッグテック「GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)」をはじめとする欧米企業を締め出すことで、中国のIT業界が他国に独占されることを防ぐ意図もあります。
仕組み
中国政府では、インターネット規制のためにグレートファイアウォール(金盾)と呼ばれるインターネット監視システムを運用しています。
グレートファイアウォールでは、大きく分けて4つの段階でブロックを行っています。
1、DNSブロック | ユーザーがブラックリスト対象のWebサイトにアクセスしたとき、DNSサーバーが「IPアドレスがありません」と応答して閲覧不可にします。 |
2、接続フェーズの監視 | IPアドレスを直接入力するなどでDNSブロックを回避した場合は、接続先のIPアドレスをチェック。ブラックリスト対象のIPアドレスであれば閲覧不可にします。 |
3、検索キーワードのブロック | 検索キーワードに「天安門事件」「民主主義」「ウイグル」「毛沢東」「VPN」「くまのプーさん」などの禁止用語が含まれていた場合は、検索がブロックされます。 |
4、ページのスキャン | (1)~(3)を回避したとしてもWebページを開くときに全体がスキャンされます。もし、内容に問題あると判断された場合は、閲覧不可になります。 |
上記以外にもグレートファイアウォールは、中国政府が認可したVPNサービス以外を利用不可にする”VPNブロッキング”を行っています。
これによりNordVPNを含めて多くのVPNサービスが中国で利用不可となっています。
中国で利用できるVPNサービス
現在、NordVPNは中国でつながらない状態となってます。
ここからは、記事執筆時点で中国での利用が確認できているVPNサービスをご紹介していきます。
※今後、中国政府によるVPNサービスの規制強化により利用できなくなる可能性もあります。
VPNプロトコルを「OpenVPN」以外にしている場合は、特殊サーバー一覧に「Obfuscated Servers」は表示されません。
その場合は、下部メニューの「プロフィールアイコン」→「歯車アイコン」の順にタップします。
設定画面に移動するのでプロトコルを「OpenVPN(TCP)」または「OpenVPN(UDP)」に変更してから再度試しましょう。