「NordVPNを利用したいけど違法性はないだろうか」
そんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
NordVPNは、インターネット通信を暗号化できると同時にIPアドレスを変更できます。
これによりNetflixでジブリ作品を視聴したり、YouTubeプレミアムを安く契約するなどが可能です。
さて、ここで気になるのが、NordVPNの利用が違法行為にあたるかどうかです。
この記事では、NordVPNに違法性はあるのか?違法な国もあわせて解説していきます。
目次
NordVPNに違法性はある?
先に結論を言っておくと、日本国内でNordVPNを利用しても違法性は一切ありません。
NordVPN公式サイトでも次のように案内されています。
この質問に関する問いは、「はい」とも言えますし「いいえ」とも言えます。朗報なのが、VPNは日本では合法で、VPNを使って違法・犯罪行為をしない限りは自由に使うことができます。
もちろん、NordVPNを使用しているか否かにかかわらず、インターネット上の違法行為はNGです。
例えば、
- 他人のアカウントに不正ログインする
- 人や企業に対して悪口や嘘をSNSなどに書き込む
- 音楽や映画などを違法配信と知りながらダウンロードを繰り返す
- 他人の作品を無断で動画共有サイトや掲示板などにアップロードする
などの行為があたります。
NordVPNが違法な国もある
NordVPNは、日本や欧米などほとんどの国で合法です。
ただ、NordVPNを含めてVPNの使用を違法とみなしている国も一部ですが存在しています。
これらの国でVPNを使用した場合は、最悪逮捕される可能性もあるので注意しなければなりません。
北朝鮮
北朝鮮では、VPNの使用が全面的に違法です。
日本人にも馴染み深い北朝鮮は、金一族の独裁体制のもとで厳しい情報統制を敷いている独裁国家となります。
インターネット自体が世界に開かれておらず、国民がアクセスできるのは光明網と呼ばれるイントラネット(内部通信網)のみです。
また、インターネットの使用には事前許可が必要となっており、インターネット普及率は世界最下位の0.07%ほどとなっています。
トルクメニスタン
トルクメニスタンでは、VPNの使用が全面的に違法です。
トルクメニスタンは「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれる独裁国家であり、大統領の個人崇拝や厳しい情報統制が敷かれています。
政府がすべてのメディアをコントロールしており、インターネットに対しても厳しい検閲を行っています。
VPNを使用すれば検知されて罰則の対象となるため、絶対に使わないようにしましょう。
イラク
イラクでは、VPNの使用が全面的に違法です。
イラクは、アメリカ主導の多国籍軍とのイラク戦争により独裁政権であったフセイン政権が崩壊。
その後、民主政治の導入を試みましたが、政治や社会の混乱が続いています。
ISIS(イスラム国)などの過激派組織による影響を防ぐなどの目的でVPNの使用を禁止しています。
オマーン
オマーンでは、VPNの使用が原則違法です。
ただし、オマーンの電気通信規制庁(TRA)が認めた機関や組織であれば例外的にVPNを利用できます。
オマーンは、カリスマ性をもったカブース前国王と豊かな石油資源により平和と経済発展が続いている独裁国家です。
インターネットの自由度に関しては他の独裁国家と比べると比較的高くなっています。
ロシア
ロシアでは、政府から許可されたVPNのみ使用が合法です。
ただし、政府にブラックリスト登録されているWebサイト・サービスにVPNを使用してアクセスすると違法となります。
また、ロシアで合法的なVPNは、ユーザーの行動履歴の記録や政府のデータ提供が行われていることから安全ではありません。
ロシアは、2019年11年に施行した「主権インターネット法」からインターネット規制の強化を行っています。
2022年のウクライナ侵攻をきっかけに検閲体制をより一層厳格化。
FacebookやTwitterなどをはじめとした西側諸国のWebサービスのアクセス遮断を行ったり、VPNサービスのブロックも強化しています。
イラン
イランでは、政府から許可されたVPNのみ使用が合法です。
ただし、イランで合法的なVPNは、政府のインターネット検閲が間接的に実施されています。
イランは、イスラム法学者に権限が集中する民主主義の制度を併せ持った国家です。
厳格なイスラム法により社会生活が縛られており「女性、命、自由」をスローガンに反政府デモが度々発生。
それらの抗議活動を鎮圧する目的でインターネットを遮断することも多くなっています。
中国
中国では、VPNの使用をグレーゾーンとしています。
原則、政府から許可されたVPNのみ使用が認められていますが、それらは中国政府の監視下にある可能性は高いです。
中国は、共産党による一党独裁体制の国家です。
中国共産党に不都合な情報がネット上で拡散され、世論の動きにより国家の分裂および転覆を防ぐためにインターネット規制を実施。
具体的には、世界最高水準のインターネット監視システム「グレートファイアウォール(金盾)」により政府に不都合とされるWebサイト・サービスおよびVPNをブロックしてます。
アラブ首長国連邦(UAE)
アラブ首長国連邦では、VPNの使用自体は合法です。
ただし、VPNを使用して政府に禁止されたWebサイト・サービスにアクセスしたり、ギャンブルなどの違法行為をすると最大54万5000ドル(約8,350万円)の罰金が科せられる可能性があります。
アラブ首長国連邦およびドバイは、宗教、文化、政治などのコンテンツに対して厳しい検閲を行っています。
そして「相応しくない」と判断したWebサイト・サービスに対してはアクセスできないようにブロックしています。
エジプト
エジプトでは、VPNの使用自体は合法です。
ただし、VPNを使用して政府に禁止されたWebサイト・サービスにアクセスすると罰金や刑罰を科せられる可能性があります。
エジプトは、アラブの春により30年間続いたムバラク独裁政権が崩壊しました。
しかし、その後は軍の介入により樹立された政権により再び強権統治に回帰しています。
SNSの監視をはじめとしてインターネットの検閲も厳しく行われています。
ベラルーシ
ベラルーシでは、VPNの使用自体は合法です。
ただし、VPNを使用して政府に禁止されたWebサイト・サービスにアクセスすると違法になります。
ベラルーシは「ヨーロッパ最後の独裁国家」と呼ばれる国であり、厳しい情報統制を敷いています。
SNSなどに反政府的な投稿をしたときはもちろん、その投稿に賛同したコメントをしただけでも拘束される恐れがあります。
トルコ
トルコでは、VPNの使用自体は合法です。
ただし、テロ防止を目的として多くのSNSやWebサイト、VPNサービスがブロックされています。
トルコでは、20年以上にわたってエルドアン大統領が政権を担っており、トルコの経済発展を支えてきました。
しかし、近年は、大統領に権限を集中させる憲法改正や国民生活への介入など、徐々に独裁色を強めています。
ウガンダ
VPNの使用自体は合法です。
ただし、VPNサービスを使用できないようにブロックしています。
ウガンダでは、政権批判の弾圧・言論統制といった理由ではなく、経済的な理由でVPNを規制しています。
具体的には、2018年に導入されたソーシャルメディアの利用者に税金を課す「SNS税」の抜け穴であるVPNの利用をやめさせるために規制しています。
最後に
今回は、NordVPNに違法性があるのかどうかを解説しました。
日本、アメリカ、ヨーロッパを初めとして多くの国ではVPNに違法性はありません。
しかし、独裁色の強い一部の国では、法律で明確にVPNを違法としているケースもあります。
北朝鮮 | 全面的に違法 |
トルクメニスタン | 全面的に違法 |
イラク | 全面的に違法 |
オマーン | 一部の組織を除いて違法 |
ロシア | 許可されたVPN以外は違法 |
イラン | 許可されたVPN以外は違法 |
アラブ首長国連邦 | VPNの利用に注意 |
エジプト | VPNの利用に注意 |
ベラルーシ | VPNの利用に注意 |
トルコ | VPNをブロック |
中国 | VPNをブロック |
ウガンダ | VPNをブロック |
基本的には、予期せぬトラブルを避けるためにもVPNが違法の国では、使用しないほうが良いでしょう。
ただ、どうしてもVPNを使用する必要がある場合は、匿名性を高めるダブルVPNや難読化サーバー、Onion Over VPNの利用をおすすめします。
NordVPNを含めてVPNの使用自体は、日本の法律でも認められています。
ただ、VPNの匿名性を悪用してインターネット上で違法行為をするのは絶対にやめておきましょう。