MillenVPNのプロトコル(WireGuard、IKEv2、OpenVPN)を解説

MillenVPNでは、3種類のVPNプロトコルが用意されています。

VPNプロトコルとは、インターネット上でVPN接続を行うための規約や手順のことを言います。

VPNサービスを選ぶときは「どのVPNプロトコルに対応しているか?」も1つのポイントになります。

なぜなら、VPNプロトコルによって通信速度、バッテリー消費量、セキュリティなどが違っているからです。

この記事では、MillenVPNが対応しているVPNプロトコルについて詳しく解説してきます。

MillenVPNは3種類のVPNプロトコルに対応

MillenVPNでは「WireGuard」「IKEv2」「OpenVPN」という3種類のVPNプロトコルに対応しています。

次は、それぞれの特徴をまとめた比較表です。

WireGuardIKEv2OpenVPN
通信速度普通
安定性普通
セキュリティ普通
MillenVPN対応のVPNプロトコルの比較表

通信速度で選ぶならWireGuardです。

通信速度、安定性、セキュリティのバランスが優れているのがOpenVPNとなります。

WireGuard

WireGuard(ワイヤーガード)は、シンプルな設計で世界最速を実現しているVPNプロトコルです。

Jason A. Donenfeldによって開発され、2016年にオープンソースとして公開されて改良が加えられてきました。

コード行数は、たったの約4,000行です。

これは、OpenVPNの約150分の1のコード行数であり、最も無駄のないVPNプロトコルと言えます。

シンプル設計により高速化が実現しているだけでなく、デプロイ、デバック、導入も簡単に行うことが可能です。

ただし、ユーザーごとに固定IPアドレスを使用するため、匿名性・プライバシー面での懸念があります。

IKEv2

IKEv2(IKEv2/IPsec)は、高い安定性を提供するVPNプロトコルです。

MicrosoftとCiscoの共同開発され、2005年に登場しました。

もともとは、1998年にIKEv1が登場して、さまざまな課題を解決するために後継のIKEv2が開発されました。

大きな特徴としてMOBIKEのサポートがあげられます。

これは、ネットワーク接続が切り替わったときでもVPN接続を継続できる機能です。

例えば、ネットワークが不安定でWi-Fiからモバイル回線に自動で切り替わったときでも安定的にVPN接続できるメリットがあります。

OpenVPN

OpenVPN(オープンVPN)は、世界で広く使われているライセンス費用のかからないオープンソースのVPNプロトコルです。

James Yonanによって開発され、2002年にOpenVPN 1.0がオープンソースとしてリリースされました。

リリースから重大な脆弱性の指摘を受けたことがなく、堅牢なセキュリティと高い柔軟性から世界中で普及しています。

OpenVPNでは、2つのトランスポート層プロトコルを選択でき、活用シーンによって使い分けることも可能です。

TCPUDP
通信方式コネクション型
(接続指向型)
コネクションレス型
(接続非指向型)
信頼性高い低い
転送速度遅い速い
用途企業のリモートアクセス、重要データの転送、クラウドストレージに重要ファイルのバックアップなど動画のストリーミング配信、オンラインゲーム、大容量のファイル転送など
OpenVPNのTCPとUDPの比較表

信頼性とは、正確な順序でデータが送信されることをいいます。

TCPでは、エラーチェックやデータの損失があっても再送が行われてることから、信頼性の高い通信を実現しています。

MillenVPNは接続方法で利用できるVPNプロトコルは違う

MillenVPNは、3つの接続方法が用意されています。

次は、接続方法ごとの特徴と利用できるVPNプロトコルをまとめた表です。

MillenVPNMillenVPN NativeMillenVPN Native OpenConnect
専用アプリのインストール必要不要不要
VPNサーバーの数72ヶ所、1,300台以上少ない少ない
日本のVPNサーバーの場所東京、大阪東京、大阪東京、大阪
インターネットが制限された国からの接続一部対応対応対応
特に制限を受けにくい
自動接続
自動再接続
キルスイッチ
DNS漏洩保護機能
IPv6漏洩保護無効
対応プロトコルWireGuard、IKEv2、OpenVPNOpenVPNIKEv2
通常のMillenVPNとMillenVPN Nativeの比較表

MillenVPNでVPNプロトコルを変更する方法

通常のMillenVPNでは「WireGuard」「IKEv2」「OpenVPN」の3つからVPNプロトコルを選択可能です。

ここからは、通常のMillenVPNでVPNプロトコルを変更する方法を解説していきます。

MillenVPNアプリを起動してから「歯車アイコン」→「接続」の順にクリックしてからVPNプロトコルを選択します。

※OpenVPNを選択してVPN接続できない場合は、オープンVPN TAPアダプラの「インストール」ボタンをクリックして実行しましょう。

初期設定は「Automatic」です。

接続状況に合わせて自動的に最適なVPNプロトコルに接続されます。

最後に

今回は、MillenVPNで利用できるVPNプロトコルについて解説しました。

VPNプロトコルによって通信速度、安定性、セキュリティなどが違ってきます。

通信速度を求める場合は、世界最速のVPNプロトコル「WireGuard」がおすすめです。

ただ、その仕様上、発信者情報開示請求により個人を特定できる本物のIPアドレスがサーバーに保存されます。

もし、通信速度の速さを求めつつ、セキュリティ・プライバシー問題を解決したいのであれば、NordVPNがおすすめです。

NordVPNでは、「WireGuard」をベースにプライバシーなどの諸問題を解決して開発されたNordlynx(ノードリンクス)を利用できます。